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2024.04.30日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
賃上げを伴うリスキリングの実現へ、価値観を変革できるか
関島梢恵
成長分野への労働移動を促すことが日本経済の課題となっています。そのためには、リスキリングを推進することが重要だといわれます。労働者の中で、賃上げを伴うリスキリングや転職に前向きな人は少なくありません。しかし、主体的にリスキリングを行っている人は限られるのが現状です。背後には、学びと仕事の関連性が弱く、キャリア自律が低いといった日本の問題があります。個人の意識を変革し、リスキリングで収入が増加するという期待を持てるような環境にしていく必要があります。
FEATURE
リスキリング、賃金上昇、労働移動
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2024.03.29日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
脱炭素社会に向けて、グリーンスキルへの投資戦略を打ち立てよ
井上敦
世界中で異常気象が相次ぐ中、脱炭素社会への移行は、人類にとって待ったなしの課題です。その実現には、環境に配慮した経済活動を支える「グリーンスキル」を有した労働力が欠かせません。しかし、その供給不足が問題となっています。グリーンスキルを明らかにし、教育投資を促すことは、環境と経済の好循環を実現する上でも、脱炭素化により影響を受ける人々がその恩恵を受ける「公正な移行」を実現する上でも、必要不可欠です。
FEATURE
グリーンスキル、脱炭素社会、教育投資
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2024.01.25日本経済と持続可能な成長
研究員インサイト
全国的な広まりを見せるコード決済
関島梢恵
近年のキャッシュレス化で台頭しているコード決済等は、その普及に地域差があるのでしょうか。本記事では、NIRA総研で実施した「キャッシュレス決済実態調査」のデータを用い、2018年と2023年における地域別のコード決済等の決済額比率を分析した結果を報告します。
FEATURE
キャッシュレス、コード決済、地域間比較
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2023.12.14日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
事業成長担保権に実効性を持たせる
鈴木壮介
世界的な新型コロナウイルス感染症の感染爆発は収束し、平時に戻りつつあります。NIRA総研の調査によると、コロナ禍の政策決定について、人々の期待は国よりも自治体のほうが高いようでした。その一方で、日常で地域における意思決定にはどの程度の関心が持たれているのでしょうか。コロナ後においても、変動の激しい社会の足腰を強めていくために、地方政治や議会に対する関心を醸成することが必要です。
FEATURE
スタートアップ、事業成長担保権
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2023.12.05日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
「異次元の少子化対策」、日本の人口問題に立ち向かうための必要な要素とは
Jonathan Webb
2023年、岸田政権が「異次元の少子化対策」と「こども未来戦略方針」を打ち出し、日本の少子化を食い止めるラストチャンスだと宣言しました。少子化対策の予算を倍増する政府の提案が議論される中、本稿では少子高齢化問題を巡る、税制と社会保険の問題と見直し、婚姻率低下の影響等、多角的な課題と対策について検討します。
FEATURE
少子化対策、税制改正、日本の未来
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2023.07.25日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
起業家精神を培う環境と社会の構築
羽木千春
近年、東京のスタートアップ・エコシステムの順位は下降傾向にあります。その一因は、日本全体で、起業マインドを持った人材が不足していることです。この課題に対処するためには、学校での起業家教育を年代に応じた方法で充実させる必要があります。また、子どもたちが、ミスや失敗に対してプレッシャーを感じずに発言や挑戦ができる環境を整えることも重要となります。
FEATURE
スタートアップ・エコシステム、起業家精神を培う教育、挑戦を促す環境
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2023.01.25日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
早期事業再生に向けた環境を整備せよ
鈴木壮介
ゼロゼロ融資は突然発生したパンデミックの緩衝材として大きく機能しました。しかし、依然として経営環境は厳しく、返済が開始すれば中小企業には大きな負担となります。今後、法的倒産の件数も増えていくでしょう。政府は、返済期限を先延ばしにできる制度を作りましたが、延命措置となるばかりで倒産を防ぐ根本的な解決にはなりません。企業を存続させるため、早期事業再生に向けた環境整備を急ぐ必要があります。
FEATURE
事業再生、中小企業、ゼロゼロ融資
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2022.11.21日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
社会全体で食料安全保障の確保に取り組め
羽木千晴
国内農業の生産基盤が脆弱化し、食料供給力が低下している状況でありながら、日本では年間522万トンの食品が廃棄されています。こうした現状で、有事の際に、国民に対して安定的に食料を供給できるのでしょうか。政府は、カロリーベースの食料自給率を令和12年度までに45%に高める目標を掲げており、国内における食料供給力の向上と食品ロスの削減に向けて、社会全体で取り組むことが求められます。
FEATURE
生産基盤の脆弱化、食料自給率、食品ロス
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2022.10.31日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
再エネ推進の課題を誰もが自分事とするために
関島梢恵
脱炭素社会の実現には、不断の取り組みが必要です。短期的な利益にとらわれず、環境問題のような長期の課題に人々の目を振り向けるには、どういった方策が有効でしょうか。一例として、地域レベルで自治体と住民・企業が主体となって再生可能エネルギー発電所開発を推進するコミュニティー・チョイス・アグリゲーション(CCA)の仕組みを紹介します。社会の課題に対する市民の向き合い方を考える一助となるでしょう。
FEATURE
再生可能エネルギー、コミュニティー・チョイス・アグリゲーション、長期思考
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2022.08.31日本経済と持続可能な成長
政策提言ハイライト
即時的な出生数の増加よりも、人々の能力を生かせる社会を目指せ
北島あゆみ
これからの日本の少子化対策は、出生数の増加を即時的に求めるのではなく、人々の能力を活かせる社会を目指し、検討されるべきです。そのためには、人々が自ら望む選択ができる環境があることが重要です。しかし、現状は、女性が活躍する上で、仕事と家庭の両立に大きな課題を抱えるなど、すべての人に多様な選択肢が提供されているとは言い難い状況です。自己実現の観点からも、多様な選択肢が用意されるべきであり、そうした環境の中で、結婚や出産が検討されることが望まれます。
FEATURE
少子化対策、多様な選択肢、柔軟な人生設計