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2024.01.25日本経済と持続可能な成長
全国的な広まりを見せるコード決済
近年のキャッシュレス化で台頭しているコード決済等は、その普及に地域差があるのでしょうか。本記事では、NIRA総研で実施した「キャッシュレス決済実態調査」のデータを用い、2018年と2023年における地域別のコード決済等の決済額比率を分析した結果を報告します。【著:関島梢恵】
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2023.12.25デモクラシー
Why are Japanese Political Parties so similar?
The nature of electoral systems本稿は英国出身のインターン生、アビゲイル・ディクソンが、政党間の政策の違いが小さいとされる日本の政党政治の背景を論じたものです。1994年の中選挙区制から小選挙区比例代表並立制への選挙制度の変更は、有権者の選好に適応する政党のインセンティブを強め、政党のイデオロギー位置が中位にシフトする可能性を高めました。イデオロギー的に分極化した有権者にアピールする英国とは状況が異なります。選挙制度が政党政治に及ぼす影響はさらなる検証が必要です。【英語論稿】【著:Abigail Dixon】
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社会の中のポテンヒットをなくしていく
為末大 (株)Deportare Partners代表/(一社)アスリートソサイエティ代表
責任の所在が見えにくく、放っておかれている社会課題に対し、自分の責任として行動する人が、今の社会に必要とされています。そしてそういう人を声を上げて応援していくこともまた、社会を支えるうえで重要なのです。
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2023.12.15デモクラシー
政府への信頼、国会への信頼、一般的信頼と公共サービスへの負担の関係
政府への信頼、国会への信頼、一般的信頼の高まりは、人々が公共サービスへの負担を受容することにつながるのでしょうか。本記事では、2023年に実施された「第1回政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)」のデータを使い、医療や子育て支援といった公共サービスの分野によって、3種類の信頼と負担意思の関係がどのように異なるかを分析した結果を報告します。【著:竹中勇貴】
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2023.12.14日本経済と持続可能な成長
事業成長担保権に実効性を持たせる
スタートアップにとって資金繰りは重要な課題です。金融庁は、金融機関から支援を受けやすくするため、会社の総財産を担保にできる「事業成長担保権」の新法案を2024年に提出します。普及のためには、事業性を評価できる人材の育成が不可欠です。また、担保権が設定されていることは公示されるため、取引先にネガティブに映らないようにしなければなりません。広報により、担保権の設定は「前向き」なものであると、周知徹底する必要があるでしょう。【著:鈴木壮介】
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2023.12.05日本経済と持続可能な成長
「異次元の少子化対策」、日本の人口問題に立ち向かうための必要な要素とは
2023年、岸田政権が「異次元の少子化対策」と「こども未来戦略方針」を打ち出し、日本の少子化を食い止めるラストチャンスだと宣言しました。少子化対策の予算を倍増する政府の提案が議論される中、本稿では少子高齢化問題を巡る、税制と社会保険の問題と見直し、婚姻率低下の影響等、多角的な課題と対策について検討します。【著:Jonathan Webb】
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2023.10.19デモクラシー
2023年に地方分権改革を再考する
2023年は地方分権改革30周年の年です。ここ30年の地方分権改革について、ある程度は進んでいるという共通認識は論者の間でありながら、評価が分かれているところもあります。同じ現象に対して、集権的であるとする評価と分権的であるとする評価に分かれることさえあります。今後、国と地方の関係を考える際には、このような論者の評価はもちろん人々の意識もより深く考慮していく必要があるでしょう。【著:竹中勇貴】
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2023.09.22地域経済と市民社会
コロナ禍の経験から振り返る地域の政策決定
世界的な新型コロナウイルス感染症の感染爆発は収束し、平時に戻りつつあります。NIRA総研の調査によると、コロナ禍の政策決定について、人々の期待は国よりも自治体のほうが高いようでした。その一方で、日常で地域における意思決定にはどの程度の関心が持たれているのでしょうか。コロナ後においても、変動の激しい社会の足腰を強めていくために、地方政治や議会に対する関心を醸成することが必要です。【著:渡部春佳】
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2023.08.21デモクラシー
「不在者」の声を想像し、社会の形を描き直す
近年、若者の投票率の低さや政治への無関心な態度が問題視されています。そして、投票しないことで、政治や現状への不満がないと解釈されることも多くあります。しかし、彼らは本当に政治に関心がなく、現状に満足しているのでしょうか。投票をしない若者の背景を探り、彼らの意向を把握することは、進行する若年層の政治離れを食い止める大きな鍵となるでしょう。社会の一員である「不在者」の実情を理解し、視座を高め、社会を描き直すことが今必要だと考えます。【著:宇田川淑恵】