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2024.11.22日本経済と持続可能な成長
「年収の壁」を越え、抜本的改革の議論を始めよう
「年収の壁」の問題は、制度の公平性そのものを反映しています。この問題を解消するには、税と社会保険料の負担、そして給付を統合した全体像を踏まえた議論が必要です。海外との比較から明らかな日本の特徴は、低所得世帯への給付の少なさです。その対応としては、税と社会保険料に給付を組み合わせる制度の導入が効果的です。今後の政策論議では、合意形成のプロセスを明らかにすることが、公正な制度を構築するための大きな牽引力になります。【著:神田玲子】
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2024.10.24アジア地域
日本とASEANが築くべき新たなパートナーシップとは何か
石破茂総理大臣は首相就任後初の外遊として、ラオスでのASEAN関連首脳会議に出席しました。日・ASEANの友好協力は昨年で50周年を迎えましたが、近年、経済成長目覚ましいASEANへの認識を、日本はアップデートする必要があります。戦後の国際秩序が大きく変動する中、日本とASEANが互いを補完し高め合う関係性を構築することは、国際社会において、アジアの地位や日本の存在感を高めることにつながるはずです。【著:川本茉莉】
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中核層の時代に向けて
NIRA総研
日本社会が大きな課題に直面する中、新たな社会の担い手として、「中核層」という概念を広く社会に発信したいと考えています。中核層とはいったいどういった人々で、どのような役割が期待されているのでしょうか。NIRA総研の谷口将紀理事、宇野重規理事、牛尾治朗会長が、アニメーションを用いながらわかりやすく解説します。
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2024.09.20日本経済と持続可能な成長
企業情報開示体系を再デザインし、持続的な価値向上へ
企業価値向上のため企業と投資家の建設的な対話を促進すべく、経産省は企業情報の新たな法定開示体系案を公表しました。経営戦略と財務情報を一気通貫して開示する構想ですが、財務・非財務情報の一貫性や法定開示と任意開示の役割の調和、実務の負担軽減への影響が課題となっています。企業の理念やビジョンを投資家に示し、企業と投資家をつなぐ有益なハブとなるよう、既存ルールや法制度を含めた新たな開示体系の模索が求められます。【著:鈴木日菜子】
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2024.08.30日本経済と持続可能な成長
日本のキャッシュレス決済への移行:アメリカとの比較
本稿では、日本とアメリカのキャッシュレス決済への移行の経緯を比較し、両国における決済方法の歴史、日本の最近の変化、日本の移行が遅れた理由、そして残された課題を検討します。日本は過去5年間で、キャッシュレス決済の割合を51%から70%以上に急増させ、アメリカに追いつきつつあります。この変化の主な要因には、クレジットカードとモバイル決済の利用増加、若年層と低所得層での普及、そして飲食や食料品購入におけるキャッシュレス決済の浸透があります。【著:Jonathan Webb】
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民主主義の原則は不在者の意向を大事にすること
牛尾治朗 NIRA総研会長/ウシオ電機会長
民主主義の原則は、不在者や少数派の意向を尊重したうえで、最終的に多数決で決めることです。多様な意見や声なき声に配慮して、意見をまとめていくことが、中核層に求められています。
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2024.07.19デモクラシー
人々の認知バイアスと情報提供
支持する政治家の発言は何でも正しいと考えるなど、人々のバイアスのかかった認知は、ポピュリストへの支持、そしてポストトゥルースと呼ばれる状況をもたらし、政府への信頼の意義にも再考を迫ることになります。認知バイアスに対しては、正確な情報を提供すると同時に、自分にはすでに知識があると思って素直に耳を傾けない人がいる可能性を前提に、情報をいかにして効果的に届けるかも考えなければならないでしょう。【著:竹中勇貴】
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2024.06.19デモクラシー
アジアの「民主主義」から日本を振り返る
選挙制度は、民主主義の根幹といわれます。しかし、たとえ選挙が実施されていたとしても、投票率の低い日本では、人びとが政治家を選び、民意を政治に反映するという民主政治が機能しているとは言えないでしょう。かたや高い投票率を誇るアジア諸国でも、民主主義の機能不全が指摘されています。民主政治に不可欠な選挙制度の課題が、今浮かび上がっています。政治にまつわる問題が噴出する今の日本で、アジア政治を通して民主主義を再考することは意義があるでしょう。【著:宇田川淑恵】
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変化に対応できる柔軟な仕組みづくりが必要
柳川範之 NIRA総研理事/東京大学大学院経済学研究科教授
世の中の変化のスピードは速くなっていますが、一方で将来の不確実性が高まっています。これからの日本社会が国際的に大きなプレゼンスを示していくためには、変化に迅速で柔軟に対応できるように、社会や経済の仕組みを作り変えていかなくてはいけません。
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2024.05.24デモクラシー
主権者の責務を果たし、「物言う国民」に
自民党派閥の裏金問題など昨今の政治家の不祥事は、政治家が、選挙で勝利すれば国民を蔑ろにしても構わないと考えている印象を与えています。一方、国民は投票を棄権したり、普段から政治に注目しておらず、主権者としての責務を果たしているとは言い難い状況です。国民と政治の溝を埋めるため、国民一人ひとりが政治に関心を持ち、多面的に情報を収集し、自らの主権を積極的に示す「物言う国民」になることが求められています。【著:羽木千晴】
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2024.04.30日本経済と持続可能な成長
賃上げを伴うリスキリングの実現へ、価値観を変革できるか
成長分野への労働移動を促すことが日本経済の課題となっています。そのためには、リスキリングを推進することが重要だといわれます。労働者の中で、賃上げを伴うリスキリングや転職に前向きな人は少なくありません。しかし、主体的にリスキリングを行っている人は限られるのが現状です。背後には、学びと仕事の関連性が弱く、キャリア自律が低いといった日本の問題があります。個人の意識を変革し、リスキリングで収入が増加するという期待を持てるような環境にしていく必要があります。【著:関島梢恵】
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みんなで「公共」を築いていくという意識が大切
谷口将紀 NIRA総研理事/東京大学大学院法学政治学研究科教授
中核層はすでに社会のいろいろなところにいて、地域のために活動をしています。そうした人々をどんどん増やしていくためには、人々が「公共」という事柄にもっと参画し、自分たちが社会の担い手だと実感していくことが大切です。
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