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2022.06.29日本経済と持続可能な成長
労働力不足の時代に「人への投資」で持続的成長を目指す
岸田政権の看板政策「新しい資本主義」では、「人への投資」を重点の1つとして掲げています。日本的雇用慣行が崩れていく中、就職後の能力開発を企業任せにするのには限界があり、労働政策としてしっかりと予算をかけて取り組むべき課題です。福祉国家として名高い北欧諸国や、日本と同じく高齢化が深刻なシンガポールでの先行事例を参考にし、新しい労働市場のあり方について、さまざまな立場の人を巻き込んだ大局的な議論が望まれます。【著:川本茉莉】
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2022.05.26日本経済と持続可能な成長
「資産所得倍増プラン」実現のためのルール形成
2022年5月、岸田首相は貯蓄を投資へと促す「資産所得倍増プラン」を進める考えを示しました。諸外国と比べて日本の家計金融資産に占める投資の割合は少ないのが現状です。成長業種への投資を促し、好景気を実現させるためには、他の年代と比べて金融資産を多く保有している高齢者へのアプローチが必要不可欠です。投資性の高い金融資産に対して相続税の減免をするなど、投資するメリットを享受できるルール形成をする必要があります。【著:鈴木壮介】
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中核層の時代に向けて
NIRA総研
日本社会が大きな課題に直面する中、新たな社会の担い手として、「中核層」という概念を広く社会に発信したいと考えています。中核層とはいったいどういった人々で、どのような役割が期待されているのでしょうか。NIRA総研の谷口将紀理事、宇野重規理事、牛尾治朗会長が、アニメーションを用いながらわかりやすく解説します。
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2022.04.27デモクラシー
社会調査データアーカイブ化推進・利用のオープン化の重要性
社会調査は、人々の意識を数字として可視化するのみならず、政策決定にも大きな影響を与えます。しかし、社会調査では、設問の継続性(複数回にわたり、同じ設問をし続けること)が失われるケースが最近問題となっています。この問題には、社会調査データのアーカイブ化とデータ利用のオープン化を進め、人々がさまざまなデータに当たることができるようにすることが望まれます。【著:大森翔子】
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2022.03.25アジア地域
世界秩序の不安定化に中長期戦略で挑む
ロシアによるウクライナ侵攻は、アジアにおける台湾問題と見る向きもあります。しかし、中国は経済大国であり、今回のような経済制裁を課すことは不可能です。中長期的な政策が必要となります。まず、日本は欧州との連携を深めるべきであり、また、経済援助は、対象国の目線に立った魅力的なものとすべきです。さらに、日本はアジアにおいてパートナーとしての役割を果たさなければなりません。【著:神田玲子】
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民主主義の原則は不在者の意向を大事にすること
牛尾治朗 NIRA総研会長/ウシオ電機会長
民主主義の原則は、不在者や少数派の意向を尊重したうえで、最終的に多数決で決めることです。多様な意見や声なき声に配慮して、意見をまとめていくことが、中核層に求められています。
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2022.02.24地域経済と市民社会
デジタルの力を活かしたボトムアップ型の地域づくり
「転職なき移住」が注目されています。政府は「デジタル田園都市国家構想」を掲げて、デジタル実装を通じて地方の課題を解決し、経済の活性化を目指します。しかし、地域特有の課題解決にあたっては、市民を含む多様な人びとの意見を取り込むことが不可欠です。例えば、参加型民主主義プラットフォームなどを活用し、オンラインとオフラインでの議論を融合すれば、より幅広い意見を集めることが可能なはずです。市民から行政へ、デジタルの力を活かしたボトムアップ型の地域づくりが求められます。【著:羽木千晴】
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2022.01.31新型コロナ感染症
意思決定におけるオープンデータの重要性
オミクロン株の感染が急拡大しています。ピークアウトはいつか、いつになれば収束するのでしょうか。出口が見えない困難の中、米国等では「下水」検査のオープンデータをもとに市中の感染状況をいち早く予測し、感染局面に応じた意思決定を円滑に行う取り組みが注目されています。新型コロナ対策に限らず、わが国もオープンデータの利活用を推進し、産学官から多くの知見を集約することで、社会に恩恵をもたらす枠組みを構築することが望まれます。【著:関島梢】
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変化に対応できる柔軟な仕組みづくりが必要
柳川範之 NIRA総研理事/東京大学大学院経済学研究科教授
世の中の変化のスピードは速くなっていますが、一方で将来の不確実性が高まっています。これからの日本社会が国際的に大きなプレゼンスを示していくためには、変化に迅速で柔軟に対応できるように、社会や経済の仕組みを作り変えていかなくてはいけません。
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2021.12.28新型コロナ感染症
ワクチン忌避者の目線で、ワクチンへの信頼の向上を目指す
ワクチン接種が進んできた先進諸国を中心に、接種率の伸び悩みが始まっています。ワクチン接種を躊躇している人たちにどう働きかけるかは、パンデミック終息に向けた大きな課題になる可能性があります。日本の調査結果によると、若年層ほどワクチン忌避行動をとり、ワクチンの副反応や効果への疑念が主な理由となっています。「ワクチンへの信頼」をいかに高めるか、国内外の取り組みを参考に検討します。ワクチン忌避者の目線に立ったアプローチは一考に値するのではないでしょうか。【著:井上敦】
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2021.11.30日本経済と持続可能な成長
ミスマッチを解消し高齢者が能力を発揮できる環境づくりを
「改正高年齢者雇用安定法」により、70歳まで就業を確保することが努力義務として追加されました。高齢者が能力を発揮できる環境整備がより重要となりますが、高齢者に適性があると評価される職業分野に、高齢者がうまく配置されていないミスマッチが指摘されています。ミスマッチ解消には、雇用者が自社仕事の職務特性と、高齢者の能力や特性を適切に見極めることと、職業の見える化が鍵となります。ミスマッチの解消は、高齢者を含め多様な人々が活躍できる環境づくりにつながるでしょう。【著:北島あゆみ】
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みんなで「公共」を築いていくという意識が大切
谷口将紀 NIRA総研理事/東京大学大学院法学政治学研究科教授
中核層はすでに社会のいろいろなところにいて、地域のために活動をしています。そうした人々をどんどん増やしていくためには、人々が「公共」という事柄にもっと参画し、自分たちが社会の担い手だと実感していくことが大切です。
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2021.10.22日本経済と持続可能な成長
認知症の新薬、高齢社会の医療費を議論する好機に
アルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」が、日本で年内にも承認されるか注目されています。発売されれば、初めてのアルツハイマー病「治療薬」となりますが、薬価は高額と予想され、医療財政を圧迫する可能性もあります。多数の患者が苦しむ病の新薬に、限られた医療費をどのように効率的・効果的に使うべきか、高齢社会の医療費のあり方について国民的な議論が急がれます。【著:榊麻衣子】
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2021.09.28地域経済と市民社会
オープンガバナンスを見据えたデジタル社会の実現
デジタル社会形成の司令塔として、デジタル庁が発足しました。行政のデジタル化は、日本が長年取り組み失敗を重ねてきた歴史があります。デジタル庁をこれまでの失敗の二の舞にしないためには、単に「行政のデジタル化」だけを目標にするのではなく、その先にあるオープンガバナンスを見据えなければいけません。行政の都合ではなく、政策のエンドユーザーである市民の目線に立ったデザイン思考こそが、行政と市民の新しい連携の場を構築するために必要です。【著:川本茉莉】
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地域に新たな波を起こす人を受け入れよ
宇野重規 NIRA総研理事/東京大学社会科学研究所教授
人口が減少する中、地域社会では、昔からの住民だけで地域を支えていくことが難しくなりつつあります。新たな波を起こすような外からの人を歓迎し、信頼関係を作っていくことで、魅力ある地域づくりができるのではないでしょうか。
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2021.08.25日本経済と持続可能な成長
日本版トランジション・ファイナンスを作り上げろ
パリ協定が掲げる脱炭素社会。その実現に向けた金融手法、「トランジション・ファイナンス」が注目を集めています。国内でも大手海運業者を中心に調達が始まりました。しかし、トランジション・ファイナンスの活用は世界的に見ても低調です。資金提供者側からの理解が得られていないことが主な原因として挙げられています。政府、事業者、資金提供者が協力し、日本流の投融資環境を整備していくことが重要です。【著:鈴木壮介】
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2021.07.28デモクラシー
ICT時代におけるメディア・リテラシー教育の
「世代間格差」を無くせ日本における個人のインターネット利用率は9割目前を迎えています。インターネットを通じた情報取得は常に「ソース・内容の確かさ」が問題となり、人々が「メディア・リテラシー」を持つことが求められています。しかし、現状、日本における「メディア・リテラシー教育」政策は、青少年を対象としたものが多く、インターネットの利用率が高まる高齢者まで行き届くプログラムを十分に展開できていません。海外の事例を参考に、「メディア・リテラシー」の世代間格差を無くすプログラムが、いま求められています。【著:大森翔子】
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市民の主体性が持続可能なコミュニティをつくる
牧野 光朗 長野県飯田市長
長野県飯田市では、市民がさまざまな分野で地域のビジョンを考え、自ら実践しています。地域における課題を自分ごととしてとらえ、それを共有して解決策を話し合いながら見つけていくことで、持続可能なコミュニティが作られていくのです。
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2021.06.30アジア地域
日本もパラダイムシフトの挑戦を
2021年5月、バイデン大統領は、2022年度の大型予算を公表しました。記者会見の席で、アメリカをコロナ前に戻すのではなく、より良いアメリカを目指して「パラダイムシフト」を実現すると強調しました。それは、グローバル化によってマイナスの影響を受けた人々に、質の高い労働の機会を提供することを意味します。パラダイムシフトを求められているのは日本も同じです。バイデン政権の挑戦を様子見している余裕はありません。【著:神田玲子】
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2021.05.31科学技術
人に優しいデジタル社会形成へ
コロナ禍は、医療や行政手続きなど様々な分野でデジタル化への課題を浮き彫りにしました。そうした中、政府は9月発足予定のデジタル庁を司令塔として社会全体のデジタル化を目指す考えです。デジタル化自体が目的化することなく、デジタル技術やそれを運用する国・行政に対する国民の信頼のもと、デジタル社会を築くことが求められます。【著:羽木千晴】
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「知った責任」を感じる
川口加奈 認定NPO法人Homedoor理事長
川口さんは、中学生の時にホームレス問題を知ったことをきっかけに、生活困窮者への生活・就労支援活動を始めました。社会の課題に対して小さなことでも行動を起こすこと、そしてそういう挑戦を周囲が批判せずに応援することが重要だと語ります。
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2021.04.27科学技術
研究開発投資でイノベーションの土壌を育む
イノベーションの実現には、研究環境や支援体制が鍵を握ります。しかし、日本の研究支援の仕組みや規模に対し、課題を指摘する声もあります。政府は今年3月、2050年カーボンニュートラルに向けた「グリーンイノベーション基金」をスタートさせました。予算総額2兆円という、日本では他に類を見ない大型の研究支援プロジェクトです。この基金から革新的な技術は生まれ育っていくのか、展開が注目されます。【著:関島梢恵】
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2021.03.31科学技術
テレワークを感染症対策だけで終わらせないために
新型コロナが蔓延するなかテレワークの利用が急速に広まっています。テレワークはコロナ危機前からワークライフバランスの改善や生産性向上を図る手段として期待されてきましたが、その利用は限定的でした。テレワークを感染症対策だけで終わらせずポストコロナ社会でも有効利用していくために、私たちは何を考える必要があるのでしょうか。今回の政策提言ハイライトではテレワークを生産性向上につなげるためのヒントをNIRA総研の研究成果をもとに紹介します。【著:井上敦】
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地域社会で頼りあい誰もが活躍できる社会を目指す
甲田恵子 (株)AsMama代表取締役CEO
子育て支援を通し地域コミュニティの活性化を目指す「AsMama」を立ち上げた甲田さん。日常生活の困りごとを地域の顔見知り同士で頼りあえるようなインフラを作り、誰もがいきいきと活躍し続けられる社会にしていくことが大切だと語ります。
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2021.02.28日本経済と持続可能な成長
リカレント教育を普及させるのは誰か
技術革新が急速に進行するなかで、企業の在り方や、人々の働く環境が大きく変わっています。新たなスキルや知識が求められ、改めてリカレント教育の必要性にスポットライトが当たっています。統計では再教育を受けたいと思っている人々が多いことが示されていますが、学び直しが進まないのは何故なのでしょうか。「人生100年時代」にあって、リカレント教育の受益者は誰で、どうしたら普及するのかを考えます。【著:北島あゆみ】
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2021.01.27新型コロナ感染症
コロナ禍を期とした社会のデジタル化推進を
目下、我が国は経済・社会のデジタル化という点において諸外国に後れを取っています。昨今のコロナ禍で、元来注目されつつあったテレワークが脚光を浴びていますが、テレワークの導入には様々な障壁があるとNIRAと慶應義塾大学教授大久保敏弘氏の共同調査は明らかにしています。我々はコロナ禍から何を学ぶべきなのでしょうか。今一度、確認をしたいと思います。【著:増原広成】
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社会の中のポテンヒットをなくしていく
為末大 (株)Deportare Partners代表/(一社)アスリートソサイエティ代表
責任の所在が見えにくく、放っておかれている社会課題に対し、自分の責任として行動する人が、今の社会に必要とされています。そしてそういう人を声を上げて応援していくこともまた、社会を支えるうえで重要なのです。
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2020.12.28新型コロナ感染症
自治体の首長が変革を起こしやすい環境整備を
コロナ禍という緊急事態を乗り越えるためには、国や自治体が政治的リーダーシップを最大限に発揮し、対策を進められるかどうかがカギとなります。そこで、NIRA総合研究開発機構は、大久保敏弘教授・辻琢也教授・中川雅之教授と共同で、全国の市区町村長にアンケート調査を行いました。その結果、政策運営において「漸進型・取引型」の首長が多いことがわかりました。社会情勢が急激に変化する現代においては、「漸進型・取引型」よりも、「鼓舞型・変革型」の要素を強め、改革を進めることが求められます。今後、首長が変革を起こしやすいような環境整備を進めることが重要な課題となるでしょう。【著:渡邊翔太】
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2020.11.30デモクラシー
社会の分断を促進させる感情的分極化を、いかに対処するか
2020年11月に行われたアメリカ大統領選挙において、改めて社会の分断が注目されています。支持政党やイデオロギーに応じて、集団間の意見が極端なものになるだけではなく、相対する集団への反発が高まりつつあります。このような集団への敵対心は、感情的分極化と呼ばれ、先進国の中でも特にアメリカで進行しています。こうした感情的分極化は、アメリカだけでなく、日本においても深刻なものになる可能性もあるため、社会としてその原因となる社会問題の解決に取り組んでいかなければなりません。【著:澁谷壮紀】
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2020.10.15科学技術
5Gと連動、AR/VR...xRのサービス開発に出遅れるな
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の開発は、これまでゲームなどのエンターテインメント分野が先行してきましたが、5Gの普及で、ビジネスユースが大きく進展する見込みです。しかし、世界の成長予測に比べ、日本の市場規模は鈍い伸びにとどまると予測されています。ここ数年の取り組みが世界での主導権を決める可能性があります。5Gの本格運用に向けて、AR/VRの積極的なサービス開発が望まれます。【著:榊麻衣子】
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2020.09.25新型コロナ感染症
専門家と政治家の"ソーシャル"ディスタンスを考える
行政の失策は、時に国民に甚大な影響を及ぼします。ここ数十年の間に起きた、薬害エイズや金融機関の不良債権問題、福島の原発事故などは、行政の不作為によって不特定多数の人々が多大な被害を受けた深刻な例です。そして、今回の新型コロナウイルス感染における医療・保健体制の不備も、名を連ねることになるでしょう。いずれの場合も、行政が科学的な知見に基づいた適切な判断を行ったのか、また、国民に対して説明責任を果たしたのかが、問われるものです。【著:神田玲子】
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2020.08.31新型コロナ感染症
感染対策と経済対策の両立、鍵となる国民の協力
外資系PRコンサルティング会社が実施した調査によれば、日本政府の新型コロナ対応に対する自国評価は低いようです。一方、日本と同様、国民の自主的な判断により感染拡大の抑制を目指すスウェーデンでは、国民は政府対応を肯定的に評価しています。その理由として、政府による国民への丁寧な説明と、国民の政府への厚い信頼が挙げられます。【著:羽木千晴】
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2020.06.29新型コロナ感染症
COVID-19の波及的被害に専門知で対抗を
COVID-19の影響がさまざまな社会問題へ波及しています。経済や労働への甚大な影響、そして中には「超過死亡」のように見落とされがちな重大な影響も指摘されています。あらゆる角度からこの問題へ対応するためには、専門的な知見を活かすことが必要です。さまざまな分野の専門家からみた課題や展望を紹介するNIRAの特集「ポストCOVID-19の日本と世界」では、多くの有益な示唆が得られると考えます。【著:関島梢恵】
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2020.05.29科学技術
新型コロナウイルスによる健康格差、経済格差の拡大を防げ
世界中の健康と経済に大きな影響を及ぼしている新型コロナはすべての人に襲いかかる脅威ですが、その影響は一様ではなく、社会的な格差が拡大する恐れがあります。今回の政策提言ハイライトでは、低所得者など社会的に弱い立場にある人が、新型コロナによる健康リスクと経済リスクに特に強く晒されている現状を、NIRA総研の最新の研究成果をもとに紹介しています。【著:井上敦】
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2020.04.30デモクラシー
デジタル時代のメディアリテラシー向上でインフォデミックに対抗する
新型コロナウイルスに関するフェイクニュースが世界中で飛び交っています。なかには甚大な被害につながっているものもあり、世界保健機関(WHO)はこうした状況を「インフォデミック」として警鐘を鳴らしています。正確な情報の受発信が不可欠な状況において、インフォデミックはパンデミックと並ぶ災害です。日本でも、フェイクニュースに対抗する仕組みづくりが急がれます。【著:北島あゆみ】
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2020.03.25日本経済と持続可能な成長
キャッシュレス社会へのキャッチアップ
昨今我が国は、諸外国に比べキャッシュレス化が進んでいないとされています。キャッシュレス化には、「生産性の向上」、「生活の利便性向上と消費の活性化」、「データの活用」といった様々な利点があり、中国やインドといった新興国は決済のキャッシュレス化が進んでいます。日本はそういった面で、新興国から学び、キャッチアップしていくという認識が必要なのではないでしょうか。【著:増原広成】
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2020.02.25日本経済と持続可能な成長
高齢者が活躍できる社会へ
日本では人口減少・少子高齢化が進み、労働力人口減少への対応が大きな課題となっています。高齢者の人口比率が高まる中、今後ますます、シニアを含めたあらゆる人材の活用が重要となります。現在、高年齢者が安定的に雇用される制度が検討され、見直されていますが、現場の環境整備には課題が残っています。高齢者に対しては依然、差別や偏見、いわゆる「エイジズム」があります。重要なのは高齢者を正しく理解し、どうサポートすればいいのかを考え、高齢者が活躍できるような環境を整備していくことです。【著:渡邊翔太】
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2020.01.31デモクラシー
ポピュリズムを生む政治不信と既成政党の変化
2019年12月のイギリス総選挙では、Brexitの是非が大きな争点の選挙でした。そんな選挙の裏で、ポピュリズムの拡大の兆候が見られました。近年、話題となっているポピュリズムは、政治不信によって勢力を拡大させています。さらに、新しい政党によってだけではなく、政治不信をもとに従来の政党の姿を変え、拡大していくのかもしれません。この傾向は、イギリスやヨーロッパだけでなく、今後、政治への不信が広がっている日本にも当てはまっていく可能性があります。【著:澁谷壮紀】
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2018.12.25デモクラシー
ポピュリズムを招く新しい「政治的疎外」の時代
世界各国で「反既成政治」の潮流が強まっています。共通要因に、グローバル化や技術革新により社会から取り残された人々の不満があります。人々の意識がどのようにポピュリズムに向かうのかを探り、日本にもポピュリズム現象が発生する十分な下地があることを論じます。【著:谷口将紀】
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2018.09.10デモクラシー
ポピュリズムの本質
―「政治的疎外」を克服できるか―国民の不安や不満に訴える欧米先進国のポピュリズムは、社会に根を下ろしつつあるようにみえます。それは、果たして、今を生きる私たちにとって、何を意味するのでしょうか。各国の政治事情に詳しい第一線の専門家が執筆した本書は、私たちにヒントを与えてくれます。【編著:谷口将紀・水島治郎】
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2018.05.01地域経済と市民社会
中核層が活躍できる社会の構築
―個人の尊重と信頼の醸成が鍵―国や地域のために貢献し、社会の変化をけん引していく人々を増やすにはどうすればよいのでしょうか。社会の変革を担っていく人々を、私たちは「中核層」と呼び、研究を行ってきました。中核層が活躍するためにどうすべきか、研究に関わったビジネスリーダーと政治学者が対談をしました。【対談:牛尾治朗、宇野重規】
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2018.04.25デモクラシー
ローカル・コモンズの可能性
日本各地で空き地や空き家などが増加する中、土地の共同活用を図る動きがみられます。それは現代的「コモンズ」ともいえるものです。その可能性は土地利用に留まらず、地域を超えて形成することができるのです。【著者:宇野重規、早川誠】
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2017.10.01デモクラシー
NIRA総研 中核層調査
自分の生き方を選択し、かつ社会に積極的に関わっていこうとする人々は、どの程度、社会に存在するのでしょうか。それを探るために、私たちは、アンケート調査を行いました。本調査の結果、中核層は収入や学歴によらず存在し、政策に対し高い意識を持つことが明らかになりました。